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アルマイト処理で美しいカラーに、カラーアルマイトについて

アルミニウムの金属加工において、表面を酸化させた皮膜で多い錆を防ぐアルマイト処理が多く施されています。アルマイト処理を行うことでアルミニウムの耐食性を高め、硬く耐久性のある部品を製作することができます。
アルミニウムは加工のしやすさから、一般・産業を問わず非常に幅広い用途で使用されている金属素材であり、よく使用される理由の一つにカラーアルマイトという着色処理があります。
アルマイト処理とは
アルマイト処理は、アルミニウムの表面を酸化させて酸化皮膜を作り、表面を覆う処理のことを指します。
金属加工の現場においては一般的に大変人気のあるアルミニウムですが、ジュースやお茶などのアルミ缶のイメージの通り、厚さによっては小さい力でも変形しやすい金属素材です。加工しやすいアルミニウムが持つ変形しやすさを補うためにアルマイト処理を施します。
アルミニウムが酸化した酸化アルミニウムは非常に硬く、電車や航空機などの産業用部品にも活用することができます。アルマイト処理では皮膜の厚さを調整することもでき、特に耐久性が求められる場合は硬質アルマイト処理と呼ばれる耐久性や摩耗性を高める処理が行われます。
アルマイト処理ではアルミニウムの表面を酸化させて硬い酸化皮膜を作るため、熱の変化に弱く曲げ延ばしで割れてしまうなどのデメリットもありますが、環境条件が合えば非常に使いやすい金属素材です。
カラーアルマイトとは
加工部品が使用される部位によっては、赤や青、緑などの金属素材が持つ本来の色味とは異なるカラーに仕上げたいケースがあります。アルミニウムを加工する際に部品のカラーを調整したい時にはカラーアルマイトという処理を行います。
アルミニウムにアルマイト処理を行うと、アルミニウムが持つ光沢のあるシルバーの金属表面から、酸化皮膜によりマットな金属の質感に変化します。白アルマイトと呼ばれるこの状態は、環境条件によっては自然発色し色が変わるケースもあります。
カラーアルマイトでは、アルマイト処理により表面に酸化皮膜を作る際に生じる小さな凸凹にカラー染料を流し込むことで、表面を保護しながらアルミニウムの表面を着色することができます。
カラーアルマイトで着色できるカラー
カラーアルマイトで着色できるものとしては、以下のようなカラーがあります。
- ゴールド(金色)
- ブロンズ(銅色)
- 黒色
- 赤色
- ピンク色
- 青色
- 緑色
カラーアルマイトでは様々な条件により、同じゴールドでも色味を調整することができます。
着色する染料の濃度や温度、皮膜の厚さや染色する時間によって色の濃さが変わりますが、通常のメッキ塗装などのように細かく仕上がりを調整するのは難しく、加工業者の技術に一任されるケースもあります。
カラーアルマイトの注意点
カラーアルマイトは美しい仕上がりを実現する処理ですが、依頼時には確認するべき注意点があります。
1. 仕上がりの色味を微調整しにくい
塗料を表面に重ねるメッキ塗装とは違い、カラーアルマイトでは穴に塗料を流し込むため、仕上がりの色味を調整しにくくなります。カラーアルマイトを含むアルマイト処理は、加工業者の知識や経験が仕上がりに影響しやすい処理といえるため、色味調整をどこまで対応できるのかは加工業者によって異なるため、事前にきちんと確認しておく必要があります。
カラーアルマイトでは色味が調整しにくいことにより、加工ロットごとにわずかに色味が異なる可能性があります。
2. 処理方法により、環境条件で退色するケースがある
カラーアルマイトには一般的な処理方法として「染色アルマイト」「二次電解着色アルマイト」の二種類があります。
染色アルマイトは染料が豊富でカラーを再現しやすい一方、太陽光などの環境条件によって退色してしまう恐れがあります。二次電解着色アルマイトは色あせに強く屋外でも使用できますが、対応できる加工業者が限られています。
3. 通常のアルマイト処理と比較して加工費用が高くなる
カラーアルマイトは通常のアルマイトと比較すると加工費用が高くなる傾向にあります。
加工業者の金額設定や技術にもよりますが、一般的にはおよそ2~3倍程度のコストが掛かる場合があります。処理方法や加工部品のサイズにより費用が変わってくるため、予算に応じて柔軟に対応できる技術を持った加工業者を選定する必要があります。
見た目にも美しく、製品の価値を上げるカラーアルマイト
カラーアルマイトはアルミニウムを強化するだけでなく、見た目にも美しく仕上げることで製品そのものの価値を上げる人気の高い処理方法です。
アルマイト処理を依頼する際には、カラーアルマイトで色味をどこまで再現するかだけでなく、耐久性や摩耗性をどれだけ高める必要があるかなど、優先順位を決めておく必要があります。アルマイト処理は全体を通して高い加工技術が求められるため、加工業者が知識を持っているかをきちんと確認しましょう。