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【後編】金属加工を依頼する前に知りたい金属素材の選び方

金属の種類について
 最終更新日

この記事は前後編の後編記事となります。前編はこちら

前編では一般的に認知されている代表的な金属素材の性質を一部ご紹介しました。
後編では、金属素材を選定するポイントを4つに分けて、専門知識のない方でもわかりやすいようにご説明いたします。

金属素材を選ぶポイントは大きく分けて4つ

金属素材の特徴から選ぶ

代表的な金属素材の特徴については前編でご紹介しましたが、純素材から合金、特殊鋼の組み合わせを含めると金属素材は多岐に渡ります。
金属の特徴としてよく挙げられる性質は以下の通りです。

強度

力を加えたときの変形に対する抵抗力。
力の加え方には3種類あり、引っ張る(引張)、挟み切る(せん断)、押しつぶす(圧縮)があります。

密度

金属の単位体積あたりの質量。

引張強度(ひっぱりきょうど)
金属の引っ張りづよさの度合い。引張強度を測定するには金属の試験片を引張試験機に掛け、伸びや歪み、耐力などを測定します。

比強度

金属の密度あたりの引張強度の度合い。

硬度/剛性

金属の抵抗力、硬さ。
硬度と剛性はどちらも硬さを示す性質ですが、硬度は表面への圧力に対する抵抗力、剛性は曲げや捻りなどに対する寸法変化のしにくさを指します。

粘度

金属を溶解したときの粘り気。粘度が高いほど粘り気があり、鋳造などの場合は加工が難しくなります。

耐食性(腐食性・耐酸化性など)

金属の腐食に対する抵抗力。耐食性が高いほど錆びにくくなります。

耐摩耗性

金属の摩擦に対する抵抗力。耐摩耗性が高いほど強度が高くなりますが、切削加工が難しくなります。

耐熱性

金属が高温下において性質を保つ力。
耐熱性には物理的変化(溶ける、柔らかくなるなど)と化学的変化(酸化する、熱分解するなど)の観点があり、耐熱性が高いほど変化が起きにくくなります。

熱伝導性

金属に熱が伝わる性質。熱伝導性が高い金属ほど熱が伝わりやすくなります。

導電性

金属に電流が流れやすい性質。通電性が高いほど電流が流れやすくなります。
対義語として、電流の通しにくさを表す絶縁性があります。

使用条件に見合った厚さで選ぶ

金属は素材ごとに比重が異なるため、同じ質量、大きさでも厚さが異なります。
人や物など重さがあるものを支える用途に使用する場合は、設置可能な厚みを調べておく必要があります。
金属の強さを示す代表的な特徴として強度を基準に判断することになりますが、一般的には厚くなるほど加工しづらくなり、加工に求められる技術やコストが高くなるため、使用条件が細かく決められている場合の判断材料の一つとして、様々な条件から総合的に判断するケースがほとんどです。

使用する環境条件で選ぶ
温度や湿度、気中塩分などの環境条件をしっかり把握しておくことも長く安全な運用には不可欠です。
空調設備の整った安定している工場設備と、水流のある海中では求められる条件が大きくことなります。
環境に適した金属素材を選定するためには局所的な環境条件ではなく、季節や年ごとの緩やかな変化を含めた、根拠に基づいた予測を設計段階で立てておかなければなりません。
素材によっては複数の環境条件が一致することで金属破壊や腐食が起こってしまうケースもあり、豊富な運用経験を備えておく必要があります。

金属素材を切断する方法で選ぶ

金属加工では金属素材や厚さにより加工のしやすさが変化しますが、用途や素材により使用できる切断方法が異なります。

切削加工

回転する刃に金属を当て、接地面を削り取ることで切断を行う金属加工においては最も一般的な切断方法です。
金属を削り取った切りくずが発生し、ワイヤーカットと比較すると素材のロスが多く発生しますが、加工方法により刃を変えることで、加工技術のある業者であればあらゆる形状の部品を製作することが可能です。
また、素材によっては適切な取り扱いを行わないと火災や爆発が発生する恐れもあるため、安全性を確保した状態で加工を行う必要があります。

ワイヤーカット

ワイヤーカットは放電加工の一種で、ワイヤーカット専用の加工機を使用します。
電流を流して加工部分の素材を高温にすることで金属面を溶かすため、導電性のある金属素材であれば、硬度や厚さに関係なく切断を行うことができます。
導電性のない金属には使用できず、非常に細いワイヤー線を用いるため、他の切削加工と比較すると加工スピードに時間が掛かりますが、ロスが発生しにくい精密な加工が可能となります。

レーザーカット

レーザーカットはレーザー光を使用する切断方法で、ワイヤーカットでは加工できない導電性のない金属素材も加工することができます。
切削加工と比較して、刃が触れないことで切断面を綺麗に仕上げることができますが、専用のレーザー加工機のメンテナンスや維持にコストが掛かり、加工コストも高くなる傾向にあります。

流通量や加工に掛かるコストで選ぶ

金属加工のトータルコストは、主に素材ごとの流通量と加工の難しさ、工数により決まります。
例えば、前編でご紹介したチタンとマグネシウムはともに比強度に優れる金属素材ですが、マグネシウムは空気や水と化学反応しやすく着火危険性の高い金属です。
切削加工においてはマグネシウム切削用の油を用いる、切りくずを最小限に抑えるよう加工を進めるなど、高い安全性を確保しなければなりません。
また、同じ銅合金でも黄銅は金型鋳造が可能であるのに対し、青銅は金型鋳造ができないため大量生産を行うことができず、大量に製作する場合はコストが高くなります。
流通量が少なく入手コストが掛かるもの、または精製に手間が掛かる金属素材を選ぶよりも、用途に合った加工のしやすい特殊鋼の方がトータルコストとしては安くなるケースもあります。

金属素材の適切な選定には総合的な観点が不可欠

用途に合わせた正しい金属素材を選定するためには、金属素材ごとの特徴、厚みや想定する加工方法だけではなく、市場やコスト、経年による変化など今後を見据えた総合的な判断が必要となります。製作したその時点では問題がなくとも、一つの部品が安全を脅かす原因にもなり得るかもしれません。
金属素材の選定で少しでも気になること、不安なことがありましたら、ぜひお気軽にご相談ください。

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