マシニングセンタとは?種類やメリットについて徹底解説します!

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近年、産業用マシンは細分化が進んでおり、それぞれの加工に合わせたマシンが開発されています。マシニングセンタもその一種で、加工の用途に合わせさまざまな機種が登場してきました。
本記事では、マシニングセンタについて、それぞれの種類やメリットを解説していきます。
マシニングセンタ(machining center:通称MC)とは、工具を自動で交換できる機能を備えた工作機械です。加工に必要な作業の工程などを、数値によってコントロールする「NC(Numerically Control)工作機械」に、自動工具交換装置である「ATC(Automatic Tool Changer)」がついているものをマシニングセンタといいます。
マシニングセンタを使うことで、手動で工具を取り替える必要がなくなり、生産性の向上を図ることが可能です。
マシニングセンタでは、固定した材料を回転する工具で削りますが、旋盤は回転させた材料を固定した工具で削ります。回転させるものが工具か材料かの違いです。
この違いからマシニングセンタは角物の加工に長けており、旋盤は丸物の加工に長けています。
フライス盤は金属や木材などの加工に使われる機械です。マシニングセンタと異なり、工具が1本しか付いていないため、別の加工を行う際に工具の交換が必要になります。
フライス盤はマシニングセンタと同様に固定した材料を回転する工具で削るものであるため、角物の加工に適しています。
マシニングセンタの種類は次の4つです。
それぞれ詳しくみていきましょう。
加工精度を求める場合は横型マシニングセンタがおすすめです。工具を地面と水平方向に取り付けるタイプで、X軸、Y軸、Z軸方向に稼働をするので、三次元の加工を行えます。
インデックステーブルには水平方向に回転するB軸があるため、最大四面加工を行うことが可能です。加工工程を全て自動化できるため、高い加工精度を有しているのも特徴です。
工具が地面と水平につけられているため、削りカスが溜まりにくいというメリットがあります。また、パレットチェンジャーを装備することで、加工物の交換を自動で行える点もメリットです。
一方で、加工物を横から固定するため、重い材料を取り付けると主軸の乱れやたわみが発生し、加工精度が落ちてしまう可能性があるため、重たい部品の加工には不向きとされています。
重い加工物を扱う場合は立型マシニングセンタがおすすめです。工具を地面と垂直に取り付けるタイプで、加工物を上から加工します。
上から加工をするため、加工状況の確認ができ、重い加工物でも高い精度で加工を行うことが可能です。他の機種と比べて専有面積が小さいので、導入がしやすい機械になっています。大型マシニングセンタの補助として利用する工場もあるようです。
その一方で、削った際に発生する切屑が排出されにくいため、加工物を傷つけない対策を取らなければなりません。工具の回転速度に緩急をつける、切削油の噴射速度をあげるといった対策を取りましょう。
複雑な加工を行う場合は5種制御マシニングセンタがおすすめです。X軸、Y軸、Z軸、B軸にC軸を追加した5軸での制御が可能で、2つの回転軸で複雑な加工を行います。
2つの回転軸で複雑な加工ができるとともに、一度で加工物を完成品に仕上げられる点がメリットです。一方で、制御するためのプログラミングが複雑なため、作業をより慎重に行う必要があります。
大型部品の加工を行う場合は門型マシニングセンタがおすすめです。機械が門のように見えるのが特徴で、X軸、Y軸、Z軸の3軸に動かして加工を行います。
X軸方向に大きく動かすことが得意で、大型部品の加工に強い点がメリットです。一方で、設備が大がかりになるため、設置のために場所を空ける必要がある他、コストが高くなるといったデメリットがあります。
マシニングセンタのメリットとして次の3つが挙げられます。
それぞれ詳しくみていきましょう。
マシニングセンタのメリットとして「加工品の品質向上」が挙げられます。手動で加工を行うと、操作をする人間によって完成品のサイズや状態にバラツキが発生しがちです。
マシニングセンタはコンピュータが加工を行うので、仕上がりの差をなくし、安定した品質を保つことができます。
コスト削減が可能なのもマシニングセンタのメリットです。作業員が手作業で加工を行う場合は、技術を教育していかなければなりません。
技術を身につけるのは容易ではなく、誤差なく加工を行えるようになるには膨大な教育コストがかかります。マシニングセンタは使用方法を覚えれば、誤差なく加工ができるようになるので、教育コストを大幅に削減することが可能です。
また、手作業で多岐の加工を行う場合には、それに伴って人件費も発生します。一方、マシニングセンタでは1台で複数の加工ができるので、作業員の作業内容を減らし、人件費の削減をすることも可能です。
手作業の場合は、さまざまな工具を扱う必要があるため、工具を扱う時間の分だけ事故や怪我のリスクが高まります。マシニングセンタであれば、ATCによって機械が工具の取り替えまで行ってくれるため、作業員が工具に触れる時間を最小限に抑えることが可能です。
マシニングセンタであれば、事故のリスクも減らせるでしょう。
マシニングセンタの販売価格は機械の大きさや性能、周辺機器によって異なります。マシニングセンタの費用相場は以下のとおりです。
廉価版のものなら約500万円から購入が可能で、性能が高くなるにつれ高額になっていきます。高性能のものだと1億円を超える場合も珍しくありません。オプションでも価格が変動するので、購入を検討する際には候補機種の見積もりを出してもらい、比較検討していくと良いでしょう。
今回はマシニングセンタについて、機械の種類やそれぞれのメリットを紹介しました。マシニングセンタを導入すれば、コストの削減や安全性の向上が期待できます。
金属加工の精度を高めたい、人手不足を解消したいというのであれば、この機会にマシニングセンタの導入を検討してみるとよいでしょう。