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バフ研磨とはどんな加工?特徴やメリットについて徹底解説


バフ研磨と聞いてすぐにピンとくる人はあまり多くありませんよね。
「バフ研磨ってなんか聞いたことがあるけどよく知らない…」
あまり広くは知られていないバフ研磨ですが、意外と私達の生活でも多く利用されています。
そこで今回はバフ研磨の効果やメリットまで徹底的に解説していきます。
これからバフ研磨について知ろうとしている方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。
バフ研磨とは
バフ研磨とは金属の表面をまるで鏡のようにきれいに仕上げる研磨方法です。
例えば、私達の生活の中にあるステンレスの多くは鏡面のように輝いていますよね。
実はこれは、ステンレスの持つ本来の輝きではなく、バフ研磨加工によって作られていたのです。
バフ加工の「バフ(buff)」とは、英語で「もみ革でこする」という意味で、材料を磨く際に使用する円形道具の名前です。
バフは綿やフェルトなどの柔らかい材料から作られており、磨く金属の表面に高速回転させながら当てることで表面の凹凸を滑らかにすることや表面についた汚れを除去することができます。
バフ研磨はなぜ行うの?
バフ研磨を行う際にはさまざまな目的があります。
主な目的が「傷直し」「汚れ・ホコリの除去」「光沢度を上げる」「凹凸の除去」などです。
バフ研磨を行うことで総合的に、金属の見栄えが良くなるため最終仕上げとして行われることが多い他、メッキをする前の凹凸の除去としての役割を担うこともあります。
バフ研磨の種類
一言にバフ研磨と言っても使う道具次第で、大きく研磨後の仕上がりが変わってきます。
例えば研磨剤は液体のものか個体のものを使用するのかや、バフの素材は綿かフェルトか、他にもウールや麻などもあります。
このようにバフ加工の素材だけでも多様な種類があるのに加え、バフの目の粗さにも違いがあります。
「80番」から「200番」「400番」「600番」「800番」「1000番と」数字が大きくなるにつれて目が細かくなっていきます。
使う流れとして、はじめは目の粗いバフを使用し、徐々に目の細かなバフに変えていくことでまるで鏡面のような滑らかな仕上がりになるというわけです。
バフ研磨の効果

先にも少し説明しましたが、バフ研磨には素材を鏡面のようにキレイにすること以外にもさまざまな効果があります。
これからバフ研磨の効果について詳しく解説していきます。
製品の精度が上がる
バフ研磨で使用するバフを目の粗い物から徐々に細かいものに変えていくと、表面の凹凸をより少なくすることができるため、より正確な精度を求められるようになります。
そのため、バフの目の細かさを変えていくことは非常に重要な工程なのです。
光の乱反射を抑える
バフ加工でより表面を滑らかに研磨することによって、凹凸がなくなり光の乱反射を抑えることができます。
研磨が甘く表面の凹凸が取れない場合、光の乱反射を生むので製品の精度にも関わってきます。
バフ研磨は手作業で行われる!?
バフ研磨はバフホイールというバフを高速で回転させる機械に装着し、高速で回転するバフに製品を当てることで研磨を行っていきます。
少し力加減を誤るだけで表面の滑らかさが失われるだけではなく、光りかたのムラが出るなどの重大な失敗に繋がるため、バフ研磨には熟練の技術や経験が必要になってきます。
バフ研磨のメリット
バフ加工のメリットは先の「バフ研磨はなぜ行うの?」でも紹介したとおりたくさんあります。
やはり、せっかくきれいな形に加工することができても表面に凹凸があったり、削りカスが付着していると製品としての価値は下がってしまいます。
そのため、バフ研磨は鏡面加工以外にも製品の最終的な仕上げとして行われる場合も多いです。
バフ研磨のデメリット
バフ研磨を行うことで製品に起こるさまざまなメリットを紹介してきましたが、やはりバフ研磨にもデメリットはあります。
メリットだけではなくデメリットもしっかりと把握することで、バフ研磨についてより理解を深めましょう。
バフ研磨のうち、手作業で行う場合、コストが高くなり、作業者のスキルによってバラツキが発生します。研磨作業が不十分な場合は、無数の細かい傷に研磨剤などが付着してしまうことは大きなデメリットです。
バフ研磨に使用する研磨剤について
バフ研磨を行うに当たり、この「研磨剤」は忘れてはいけない存在です。
先でも説明したとおり、研磨剤には固形のものと液体のものがあり、バフに直接塗布して使用します。
研磨剤の主な役割として、より光沢を出したり研磨力を上げるなど、バフ研磨の効果をより高めてくれる役割があります。
固形研磨剤で有名なものは「青棒」「赤棒」「白棒」と呼ばれる研磨剤で、3色それぞれに異なる特性を持っています。
まず青棒は研磨剤の粒子が細かいため、最後の鏡面仕上げに向いています。
赤棒は青棒とは反対で、研磨剤の粒子が粗いため初期の研磨剤に向いています。
最後に白棒が、青棒と赤棒の中間を研磨する研磨剤となっています。
このように研磨剤も用途によって使用するタイミングが変わってくるので、しっかりと特性まで理解した上で使用する研磨剤を選びましょう。
バフ研磨よりもさらに優れた電解研磨
本記事ではバフ研磨について詳しく解説してきましたが、バフ研磨よりも「平滑性」という点では電解研磨という研磨方法のほうが優れています。
そのため電解研磨は医薬品や半導体の製造など、一切の不純物が許されない製品の製造によく利用されます。
研磨方法として、強酸、もしくは強アルカリ電解液の中で電流を流しながら平滑性を向上させるという方法でより精度の高い研磨を行うことができます。
ポイント
・バフ研磨とは「バフ」という綿やフェルトなどから作られた道具で表面を研磨することで鏡面のような平滑性を生み出す
・バフ研磨はバフの目が粗いものから使用し、徐々に目の細かいものを使用する
・バフ研磨のメリット:「傷直し」「汚れ・ホコリの除去」「光沢度を上げる」「凹凸の除去」
・バフ研磨のデメリット:手作業の場合、コストが高く、スキルによるバラツキがある
・バフ加工に使用する研磨剤にも種類があり、研磨の段階に合わせた研磨剤を使用する
・バフ研磨より「平滑性」で優れた電解研磨という研磨方法もある