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ジルカロイ・ジルコニウムの特徴や加工性について詳しく解説

金属の種類について

ジルカロイとは

ジルカロイとはジルコニウムを主成分とし、そこにニオブ(Nb)やクロム(Cr)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)などを混ぜ合わせた合金のことを言います。

鉄やステンレス、アルミニウムのように私達が日常的に使っている金属ではないので、ぱっとイメージすることは難しいですが、主な使用用途として原子炉の材料として加工されています。

ジルカロイの種類

一言にジルカロイと言っても細かく見ていくといくつかの種類に分類することができます。

ジルカロイ-1

主成分であるジルコニウムと、2.5%のスズ(Sn)で形成されているジルカロイです。

ジルカロイ-1は時間がたつと腐食への耐性がなくなり、急激に腐食が早まります。

そのため、他の成分を加えることで腐食への対策を行います。

ジルカロイ-2

主成分であるジルコニウム98.25%、スズ(Sn)1.45%、鉄(Fe)0.135%、ニッケル(Ni)0.055%、ハフニウム(Hf)0.01%から形成されるジルカロイです。

ジルカロイ-1に比べて高温水に対する優れた耐食性を持つという特徴があります。

ジルカロイ-3

主成分であるジルコニウム、スズ(Sn)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、ハフニウム(Hf)から形成されるジルカロイです。

ジルカロイ-2と比べ、スズ(Sn)を少なく配合されています。

スズ(Sn)を少なくすることで、加工性の向上につながっています。

ジルカロイ-4

主成分であるジルコニウム98.23%、スズ(Sn)1.45%、鉄(Fe)0.21%、ハフニウム(Hf)0.01%から形成されるジルカロイです。

ジルカロイ-1、-2、-3は水素を吸収するという問題がありました。

そこで、ニッケル(Ni)を除き、鉄(Fe)をの割合を増やすことで水素を吸収するという問題を解決しました。

4種類のジルカロイを紹介しましたが、全てのジルカロイが実際に使用されているのではなく、ジルカロイ-2とジルカロイ-4のみが現在は実用されています。

ジルカロイの成り立ち

軽水炉の燃料費服用として使用されているジルカロイですが、その主成分であるジルコニウムは熱中性子吸収断面積が小さいことが特徴で、原子炉で使用される部品の材料として優れた性質を持っています。

一方で、高温水に対する耐食性が弱く腐食しやすいという事や、窒素との反応性が高く反応が進むと耐食性が悪くなるという弱点もあり、その弱点を補うために作られたのがジルカロイです。

ジルカロイの主成分「ジルコニウム」とは

ジルカロイはジルコニウムを主成分とした合金ですが、そのジルコニウムとは一体どんな金属なのでしょうか。

これからジルコニウムについて解説していきます。

ジルコニウムの特徴

ジルコニウムとは、※チタン族元素の一種です。

(※チタン族元素とはチタン、ハフニウム、ラザホージウム、ジルコニウムの4つがあり、全て金属元素です。全て融点が1800℃以上あることに加え、原子核に4つの電子を持ち4価の陽イオンになりやすいという特徴があります。また、他の価数の化合物にもなる可能性もあります。)

優れた強度と耐食性を持つことに加え、融点が1852℃と非常に高く耐熱性にも優れています。

酸素と結びつくことでできる不動態皮膜を持っているため、生体親和性が高く人体に対して優しい金属とも言えます。

チタン族元素と言うこともあり、性質はチタンとよく似ており強度はチタンより劣りますが、チタンより優れた耐食性を持っており腐食には強いです。

また、ジルコニウムは優れた耐食性を持ったステンレスよりも優れた耐食性を持っており、塩酸や硝酸などの強い酸性にはもちろん、高濃度水酸化ナトリウムなどの強いアルカリ性に耐えることができ、これは金属の中ではトップクラスの耐食性になります。

ジルコニウムの用途

ジルカロイは主に原子炉の部品として使用されますが、ジルカロイの原料となるジルコニウムはその耐食性と強度から幅広く使用されています。

主な用途としては薬品を多く取り扱う施設や、医療用機器です。

ステンレスの代用としても使用されることがあり、稼働効率の上昇や、機器の耐久性向上につながっています。

ジルコニウムの切削加工

ジルコニウムは切削加工がでの成形を簡単に行うことができますが、粉体になると燃焼しやすくなるため難削材と言われています。

ジルコニウムは空気に触れることで激しく酸化し、発熱するため発火の恐れがあります。

しかし、発火した際に水をかけると水分と反応して水素ガスが発生するため、消化することができません。

そのため、金属火災用の消火剤やもしくは乾いた砂などを使い消化する必要があります。

また、ジルコニウムは熱伝導性が低いため、切削加工時に工具へ熱が集中してしまい摩耗や欠損に繋がりやすいです。

そのため、加工を行う速度や工具の形状、材質などについて正しい知識や技術がが必要になります。

ジルコニウムに溶接加工

ジルコニウムは優れた延性を持っているため、加工を行いやすい金属です。

しかし、溶接中に高温になると空気中の窒素や酸素と反応し、脆くなるため注意が必要です。

また溶接時に出る粉塵などの影響で、品質が大きく低下する可能性も高いためガスや粉塵に十分注意しましょう。

ジルカロイの溶接加工

ジルカロイは融解状態、もしくは高温度状態では空気中の窒素や酸素と結合しやすくなるため、溶接加工時には空気を遮断しながら行う必要があります。

そのため一般的にジルカロイの溶接加工時には溶接チャンバーを使用し、溶接部分を入れて加工作業が行われます。

ポイント

・ジルカロイは主に原子炉の部品として使用されている。

・ジルカロイには4つの種類がありそれぞれ耐食性や強度、加工性など異なる特性を持っているが、実際に使用されているのは2種類のみ。

・ジルカロイの主成分「ジルコニウム」は人体への毒性がなく、ステンレスの代用としても使用されている。

・ジルコニウムの切削加工時には粉体の発火が起こる可能性があるため、金属火災用の消化剤を用意する。

・ジルカロイの溶接加工時には窒素や酸素と反応しないよう、空気を遮断した状態で加工する必要がある。

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