マシニングセンタとは?種類やメリットについて徹底解説します!

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「カシメ加工」は塑性変形を利用して部品を接合する加工です。主に板もので使われる加工で、その種類は10種類以上を超え、使い勝手の良さからさまざまな場面で使われてきました。
本記事では、カシメ加工について、対応素材や加工の種類を中心に紹介していきます。
「カシメ加工」は、塑性変形を利用した加工方法の1つです。「かしめ」や「加締め」と表記されることもあります。
カシメ加工の方法は大きく分けて2つです。1つ目が「材料を変形させる方法」では、2枚の板金を曲げたり、穴に通したツメ部分を曲げたりするなどの方法があります。
もう1つが「材料に開けた穴に筒や棒を差し込み、その端をプレスして筒や棒が抜けないようにする方法」です。
ステンレス、アルミ、銅、鉄などの金属やガラス、ジルコニア、フェノール樹脂などの金属以外の素材も対応可能です。
金属同士だけでなく、金属と樹脂といった金属と非金属を組み合わせて加工することもできます。
カシメ加工の種類として次の12つが挙げられます。
カシメ加工では材料や目的の形状によって加工方法を使い分けるのが一般的であるため、加工方法に応じてメリットや適する用途が異なります。ここでは各加工の特徴について、詳しくみていきましょう。
「ハゼ折りカシメ」は、接合する2枚の板の端を少し折り、その部分を平らにつぶすように変形させて固定する方法です。凹凸が少ないので見た目が美しく、カシメの強度も高くなっています。
密閉性が高く、水漏れをしにくいことから雨樋やパイプによく使われる加工方法です。
「シーミング」は曲げ加工とカシメ加工を組み合わせた加工方法です。「巻き締めカシメ」とも呼ばれています。
板の端を折り曲げ、それをつぶすように変形させる方法です。リベットやナットなどの副資材を必要とせず、見た目も美しく仕上がるので使い勝手の良い加工方法といえます。
端の折り方によって加工の難易度や強度が変わるので、用途に応じて加工方法を変えるのが一般的です。
「コーナーカシメ」は、2枚の板の端を互い違いに折り曲げて噛み合わせ、プレスする加工方法です。コーナーを嚙み合わせるため強度が高く、表面の凹凸も少なく仕上げることができます。
リベットやナットを使って接合するよりも凹凸をなくすことができるので、引っかかりを防ぐことが可能です。
「スポットカシメ」は、材料を重ねてポンチを押し込み、半抜き加工を実施した箇所を部分的に貫いて、反対側に出た突起を潰す加工方法です。時間のかからない加工で、小さな面積で強度の高い加工を行えます。
副資材を必要とせず、溶接に適さない材料にも加工ができる点がメリットです。
「絞りカシメ」は、ポンチとダイの間に板を挟んでプレスして、円筒、角筒、円すいなどに変形させる加工方法です。ポンチは加圧する治具のことで、ダイはポンチを受ける部分をいいます。
材料へのダメージを抑えられる加工方法なので、滑らかで美しい加工品を作ることが可能です。
「ナットカシメ」は下穴に穴よりも少し大きいクリンチングナットを圧入する加工方法です。作業者の技術によって仕上がりの精度が変わりにくいメリットがあります。
部品同士の間隔を確保でき、商品設計の幅が広いため、パソコンや自動車、産業用ロボット、医療機器など多様な用途で使われています。
「熱カシメ」は、電気や赤外線、超音波で材料に熱を加え、熱変形をさせつつ圧力を加える加工方法です。樹脂やプラスチックレンズなど非金属も加工ができるメリットがあります。
通常、樹脂を接合する場合は糸引きが発生しやすいのですが、熱カシメは加圧しながら熱変形させるため、糸引きが発生しません。そのため、樹脂でも美しく仕上げることができます。
「スピンカシメ」は、ポンチを回転させながらリベットを加圧して変形させる加工方法です。小さな力で加工をすることが可能なため、ズレや潰れが生じにくくといったメリットがあります。
また、用途や求める強度によって、リベットの素材を変えやすいのも、スピンカシメの特徴です。
「バーリングカシメ」は、薄い板金に下穴を開けて穴の端を円筒状に立ち上げた後、立ち上げた部分を加圧する加工方法です。薄板板金の接合や異種材料の板同士の接合ができるメリットがあります。
バーリングカシメにネジやボルトでの締結を組み合わせることで、より強度の高い加工にすることも可能です。
「プレスカシメ」は、リベットやナットなどを垂直に加圧して潰す方法や、板金をプレスして加工する方法です。ハゼ折りカシメやスポットカシメなど、プレスを応用するカシメはプレスカシメの一種といえます。
作業者の技術によって仕上がりの精度に差が出にくく、振動しても緩まない点がメリットです。
「ハトメ加工」はハトメという金具を使う加工方法です。材料に穴を開ける必要がある場合に、穴を補強するために行う加工で、靴や洋服など、紐を通す部分によく使われています。
補強のほか、装飾目的でも使われる点が特徴です。
「リベット加工」は、2枚の板状の材料を重ねて下穴を開け、その穴に貫通させたリベットの先端を潰して材料を固定する加工方法です。作業内容が簡単で、DIYでもよく使われています。
振動によって緩まない点や、解体が簡単にできる点がメリットです。
カシメ加工のメリットは以下の通りです。
副資材を用意する必要がなく、さまざまな材料の加工ができることから利用範囲が広くなっています。溶接や接着剤での接合に不向きな材料に使用されるほか、薄板板金でもよく使われる加工方法です。
今回はカシメ加工について、対応素材や種類を中心に解説しました。多様な加工により、様々な材料の接合が可能なカシメ加工は、薄板板金には欠かせない加工方法となっています。
カシメ加工を取り入れたい方は、どの加工方法が適しているかを把握し、必要な機材を入手するようにしましょう。